Art×Travelプレツアー第二弾「伊都国、西の玄関口を訪ねる」の巻

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GW前半、快晴ではありましたが強風の中、行ってきましたArt × Travelのシミュレーションとなるプレツアー第二弾。

「Visit the west entrance of the Ito country.」と題した今回の糸島を巡る旅は「伊都国」が古来より大陸の玄関口として栄えた足跡を辿る小旅行ともなりました。

現在、studio kuraにはPeterさん(オーストリア)Peterさんのパートナー、Beaさん(ドイツ/ルーマニア)が滞在中。そして先日、展覧会が終了したPaulさん(UK)と賑やかです。

芥屋の大門、船乗り場

万野ファミリーとポールさん。風が強かね〜。

野衣ちゃんとベアさん

野衣ちゃんとベアさん。なんだか似ている美女2人^^

芥屋大門、船乗り場

春の強風にて船が出ないかもしれないという情報を得つつ風待ち。

すぐ近くの船越港には、遣新羅使が風待ちの時に歌った万葉集の一節が残っています。

船内

強風で遊覧船は出発するのか?!という状況したが、スタッフ森泉さんの見事な交渉により無事に出発!

演歌とモーター音がせめぎあう船内、揺れに揺れながらのクルージングです。

芥屋の大門

「芥屋の大門(keya no ooto)」 玄界灘に突き出した玄武岩の岩窟。

岩窟自体が「大門神社」としても信仰されており、天岩戸や竜宮の入り口、元寇の際の神風が雷山の風穴から地下をくぐって大門から出たなど様々な伝説が残る場所です。

時に豊かな海の恵みを与え、時に船を沈没させたりもする玄界灘。そこを漁場とする漁師や航海に出る人々が安全を祈願し、惧れ敬い、海に突き出した大きな岩窟信仰の対象としたのでしょう。

撮影中のピーターさん

ピーターさん、激写中。

大門の洞窟

日本三大玄武洞の中でも最大のものだそうで、その六角形や八角形の玄武岩が織りなす洞窟は海蝕(かいしょく)によってできたもの。 その玄界灘に向かって口を開いたような洞窟の荘厳さはまさに神秘的です。

芥屋の大門、裏側

大門の裏にあたる場所でお弁当を食べました。ここから大門の背後に登ることができます。
その入口は、まるでとなりのトトロの木のトンネル。江戸時代は、玄界灘に不審な船が現れるのを監視する遠見番所がありました。

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展望台からはこんな眺め!

工房とったん

続いて一行は「またいちの塩(mataichi no shio)/工房とったん(solt factry tottan)」 へ。

玄界灘の内海と外海がちょうどぶつかり合う場所で古代の製塩法で塩作りをしている塩工房です。塩は、人々が生きていくのにはなくてはならないものです。古代人は、”玉藻“という海藻に海水に浸して製塩をしていました。

糸芸ご一行

くみ上げられた海水が、上から竹を伝い落ちつづける海水立体塩田に見とれるご一行。

この行程は10日間循環させて濃度を上げるのだそうです。

一貴山仁王門

海から田園風景を通って山間の村一貴山へ向かいます。海と山がとても近いところは、糸島ならではです。

ここは、「一貴山仁王門(ichikisan nioumon)」 インドの渡来僧・清賀上人が健立したとされる伝説の怡土(いと)七ヶ寺のひとつ「夷巍寺(いきじ)」の跡地。

お寺はご覧の通り消失しているのですが、入り口だったと思われる場所に「仁王門」が残されています。 それをのぞいているピーターさん。

仁王門のポージングする幸美さんとつむぎちゃん

こちらは由利徹でもしむけんでもJOJOでもごさいません!仁王様のポージングをする母と娘ちゃん。この後、母の指導が入ります。 それくらい迫力のある仁王様がこの長閑な一貴山におらしゃるのです。

村上農園へ向かうご一行

そして、旅の最後は村上さんの村上農園へお邪魔いたしました。

糸島には様々な農業の在り方がありますが、村上さんは自然農法を実践されています。 自然農法と一口に言っても実践の仕方は人によって違うそうですが、ここ村上農園では、お米を植える時も田を鋤いたり、耕すことをしないそうです。そうすることで、雑草や収穫後の麦が自然と積み重なり苗床になり、植物が育つ力が土にやどるそうです。

今の畑のはじめは、六年くらい耕しも何もされていなかった畑で、木も植わっていたのだそうですが、だからこそ土に力があり、よく育ったのだそうです。

「何も足さないし、引かない」「自分は最低限の手助けをするだけ」そんな村上さんの農業=生き方に、感銘を受けたご一行。

村上さん、とても貴重なお話をありがとうございました。様々な植物や生き物が豊かに生きる農園はとても輝いていました。

村上さん

 

今回は見所を絞ってのツアーとなりましたが、十分な見応えがありました。

写真を撮りまくるピーターさんやごま塩プリンをおいしそうに食べるポールさん。ポールさんは村上さんのファーマースタイルを「かっこよくてくやしい」と言っておりました。

ピーターさんの作品に今日のツアーがどのように反映されるのか楽しみです。

ちなみにポールさんの個展で展示された作品が福岡パルコのPARCO FACTRYにて展示予定です。 ぜひ、おこしくださいませ。

 

Art × Travelはまだまだ試運転段階です。 こうした旅でレジデンスアーティスト以上に糸芸スタッフが糸島の知られざる魅力を咀嚼しているところでもあります。 いつか皆様とともにツアーを実現できる日のために、シミュレーションは続くのであります。

 

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今回ツアーで訪れた「芥屋大門」の歴史を有田さんが記事にしてくださっています。

こちらも併せてお読み下さい。

【歴史×糸島 芥屋大門】
http://www.ito-artsfarm.com/2013/05/02/%E8%8A%A5%E5%B1%8B%E5%A4%A7%E9%96%80/

 

 

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