今年の糸芸スタッフは、Studio kuraに滞在中のレジデンスアーティストさん達と接する機会が多くなりました。
その中で気づいたこと、それは「アーティストは料理が上手い!」ということです。
レジデンスハウスは田舎のおばあちゃんちのような、居間に掛け軸と仏壇、ふと鴨居を見上げれば、歴代親戚の写真がずらりと飾ってある、そんな、ザ、日本!な一軒家。台所にはジューサーやオーブンといった海外では当たり前のキッチングッズなど当然、ありません。
しかし、彼らはそんな環境の中でも創意工夫を凝らし、糸島の食材を使った素晴らしい料理を作り出すのです。
だるまが飾ってある居間でさえも、どこか遠い国のようなダイニング空間に変わるのです!
さすがはアーティスト!
そこで、今回の思いつき企画、PeterさんとパートナーBeaさんから教わった素敵なお料理をご紹介したいと思います。
ちなみにPeterさんはオーストリア、Beaさんはルーマニア出身で活動拠点はドイツということです。
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「野菜スティック」
野菜スティックといえば、生野菜ですが二人のレシピは優しい味に仕上がっています。
そしてこれからのレシピに必ず登場する、隠し味のベジタブルスープですが、
この野菜スティックを作る際に人参やかぶ、たまねぎ、ニンニク(丸っとひとつ)
などなど根菜をボイルしたゆで汁のことです。
好みの根菜を時間差で鍋に投入し、全体的には堅めの食感にボイルします。
一緒に茹でたニンニクをつぶしてドレッシングを作ります。
ボイルされたニンニクは主張しすぎず、これまた優しいドレッシングに。
★ドレッシングの材料★
・ボイルしたニンニク・・・ひとつ
・新タマネギ・・・適量
・オリーブオイル・・・適量
・ビネガー・・・適量
・塩こしょう・・・少々
新タマネギはみじん切りでもすり下ろしてもどちらでもOKです。
にんにくは潰して混ぜ合わせれは出来上がり。
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「焼き茄子と玉ねぎのディップ」
まずはメインディッシュの前にこれ!
パンにのせて日本酒と共にどうぞ(by Peter&Bea)
★材料 約4人分★
・茄子・・・2本
・新玉ねぎ・・・1/2個
・にんにく・・・1かけ
・オリーブオイル・・・少々
・塩、胡椒・・・少々
・お酢・・・少々
1)焼き茄子を作り、熱いうちに皮をむき、みじん切り。
2)タマネギもみじん切りにしてさっと茹でる。(好みにより生のままでもOK)
3)混ぜ合わせて味付けする。
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「Peterさんのおふくろの味、ハンブルグ(ハンバーク)」
オーストリアンスタイルということでしたがハンバークはドイツソーセージのようにぎゅっと恐縮されたような味わいでビールが進む一品でした。
※写真はスタッフ試作のものです。お二人が作った料理がもっとBeautifulでしたのであしからず!
★材料 約4人分★
・牛豚5:5の合挽肉・・・500g
・卵・・・大玉なら3個、小玉なら4個
・食パン・・・6枚切りを1〜2枚(耳無し)
・野菜スープ・・・適量
・パセリ・・・みじんきりを約スプーン1杯分
・塩、胡椒・・・少々
・レモンの皮・・・すり下ろしたものをスプーン約1/3杯
・オリーブオイル、バター(焼く時)
・マスタード・・・・お好みで
1)卵をホイップしてクリーミィーにする。
パンは耳を取り、ドライにトーストしてみじんきりにし、野菜スープに浸す。(野菜スープはパンをしんなりさせる程度で)
2)肉とレモンの皮、パセリを混ぜ、塩、胡椒、1)も合わせ混ぜる。こね始めて約2分を目安に。
3)冷蔵庫で約30分寝かす。
4)3のお肉を丸め(peterさん達は通常のハンバークより半分ほどのサイズに丸めていました。)フライパンにバターとオリーブオイルを半量ずつひく。
5)こんがりと焼き色が付くのを目安に仕上げてください。peterさんに怒られそうですが、時間短縮したい方は卵をホイップしたら全ての材料をボウルに投入し、そのままホイッパーで混ぜても上手くできました。
日本のハンバークではおなじみの玉ねぎについて聞きそびれてしまいましたが、新玉ねぎの季節だったので、みじん切りを生のまま混ぜてもおいしくできました。
「カルトッフェルン ザラート」
ジャーマンスタイルポテトサラダとでもいいましょうか。
ドイツでは肉料理には必ずと言っていいほどついてくる一品です。
卵やマヨネーズが入らないので非常にヘルシー。
★材料★
・ジャガイモ・・・4〜5個
・新タマネギ・・・1個
・ベジタブルスープ・・・適量
・お酢、オリーブオイル・・・適量
・塩、胡椒・・・少々
作り方は至って簡単。
1)ジャガイモを食べやすい大きさに切り、茹でてみじんきりの新たまねぎと合わせる。
ジャガイモの余熱でタマネギもしんなりします。
2)お酢、オリーブオイル、を混ぜ合わせ、お好みでベジタブルスープを加えながら全体の滑らかさを整える。
3)塩、胡椒で味を整えたら出来上がり。
野菜ステックを作る時に、一緒に茹でたら時間短縮になりそうですよ。
調味料はドレッシングなどで代用できそうな一品です。
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「カボチャのスープ」
日本のカボチャはドイツより甘みが強いようです。
隠し味のお醤油が全体を引き締めていました。
★材料★
・カボチャ・・・ひとつ
・ベジタブルスープ・・・適量
・セロリ・・・1/2本
・タマネギ・・・ひと玉
・塩、胡椒、醤油・・・少々
・豆苗・・・飾り用なので他に好みの緑葉に変えてもOK
※それぞれの分量は好みによって分量を変えてみてください。
野菜類はゆでてミキサーにかける。
レジデンスハウスにはミキサー類がないのでスプーンで根気よくつぶしたそうです。
それはそれでぼどよく、もったり感があり、おいしい食感がでます。
BeaさんとPeterさんは自転車で、1時間近く掛けてお買い物に出かけていたそうです。糸島の野菜や地元のおばちゃんお手製のジャムなどを日々の料理に取り入れる姿から、食生活や健康をとても大切にしていることが伺えました。
世界中で制作活動を行うアーティストだからこそかもしれませんね。
ちなみに前回のレジデンスアーティスト、Paulさんもおからを料理するなど腕前はプロ級のようでした。(色々、聞いておけば良かったです。)
これからも何気ない毎日をクリエイティブに楽しんでいる、アーティスト達の横顔を紹介していけたらと思っております。