11月29日、二丈松末地区にある松末天満宮では『神待ち(かんまち)』が行われました。これは、神無月(旧暦10月)の行事で、出雲に出かけられていた神様が地元へ戻って来られる時期に併せて、その目印に火を焚く神事です。
数日前から地区の人たちで、この日に焚くための「たきもん」を集めます。普通の焚き火のイメージとはまったく違う大迫力の大きな炎が上がる為、たきもんも大きな木の枝などが集められ、うず高く積まれていきます。ひとたび火がつけば、木が爆ぜる音が鳴り響き、火花もバチバチと飛び散り、夜空にとても美しく炎が燃え上がります。夕方から深夜まで燃やし続ける為、交代で番をしますが、火が落ち着いてくると焼き芋をしたり焚き火を囲んで世間話をしたりと、ほのぼのとした雰囲気もみられる神事です。
今、日本でどれぐらいのところがこの神事を執り行っているのかは不明ですが、糸島ではまだいくつかの神社で行われているようです。しかしながら、行事について調べようと『神待ち』をWeb検索してみたところ、家出少女が泊めてくれる人を探すための掲示板ばかりが上位に表示され、大変驚きました。時代の変遷で言葉の使われ方がこんなにも違ってしまうことがあるのかと、事実にやりきれない気持ちになります。
もしかすると「神待ち」を検索をして、このブログを目にする少女もいるかもしれません。その子には「子どもシェルター」という言葉をぜひ検索して欲しいと思います。行き場なく人生の迷子になってしまっている子が、間違った場所へ辿り着きませんように。ここだよと、目印を掲げてくれている場所がちゃんとあります。安心して過ごせる居場所をみつけてくれることを心から願っています。