趣旨:
糸島は福岡大都市圏に隣接し、美しい自然と豊かな農業などの生産現場に恵まれ、近年、九州大学の移転も進み、多くの工芸家、デザイナー、芸術家、などが移り住み、全国で最も注目されている地域の一つです。その創作活動の発信においては、まだ個別的、分野別の試行錯誤の状況にあります。この状況で、「アート」の広義の可能性に注目し、糸島の魅力を再発見し、生活と密着したアートのあり方を提示し、地域でのアートへの関心や理解を深め、糸島から大地に密着した文化的な発信力をつけていくものです。
目的:
この企画の目的は、アートを媒体として、これまで地域で行われてきた様々な表現活動や生産活動を横断的につなぎ、新たなアートの可能性を探り、そのことで地域の活性化をめざし、文化の成熟度を高めることにあります。
特徴:
この企画の特徴は、糸島の豊かな食の資源や歴史などをアートやデザインといった表現活動とコラボレーションし展開する点にあります。ややもすれば目線が高くなる現代アートの表現において「食」や「農業」といった日常生活の関心事を、アートを通して表現し、市民の参加を促し、それが地域の活性化や魅力の再発見につながると考えます。また、構成されるプログラムはプロジェクト方式で、中心となる作家を参加者が支援する形で等身大から始めて、支援や参加者の輪を広げて行きます。また、記録を重視し、ドキュメントすることで、活動の継続性を担保し、内容の充実を図って行きます。