Lala Sue(蘇鈺婷)

振付|Lala Sue(蘇鈺婷)

Lala Sue(蘇鈺婷)は、台湾・台南出身のフリーランスアーティストであり、「小提親創意社」のクリエイティブディレクター。身体を創作の軸とし、パフォーマンス、デザイン、映像などの領域を横断しながら活動を展開している。

近年は「感情の身体性」に焦点を当て、動作・声・映像を用いて、知覚と表現のあわいを探求し続けている。彼女の作品は、「脆さ」や「ゆるみ」、「その場に立ち現れるリアルな瞬間」に焦点を当て、やわらかで率直な表現を通して、虚構と現実のあいだの役割、自身のアイデンティティ、そしてコミュニティでの経験といった現代的なテーマに応答している。

主な作品・活動歴には以下がある:
2023年 台南芸術祭 移動型劇場「時を越えるメッセージ」 動作設計
2022年 未来コンテンツ原型開発プロジェクト「愛徒:溶ける魚への手紙」
2020〜2021年 台湾歴史博物館「逐工」シリーズ 動作設計
2020年 国家芸術基金助成作品「愛をやりきる」振付・出演

また、香港「貧しくない芸術祭」「空」、ベルリン・アートプログラム「Lip/s – selling」、台湾燈会や橋頭芸術祭など、国内外のアートフェスティバル・文化交流事業にも多数参加している。
さらに、企画・プロデュース面では、2023年 稻草人現代舞踊団「結之屋」のマーケティング企画や、「翻外 舞踊映像祭」のブランディング、2022年 台湾デザイン展の「デザイン導入シリーズ企画」などを手がける。
また、教育活動にも力を注ぎ、国立台南大学にてコミュニティ演劇の動作指導を務めるほか、2020〜2023年には「飽渇夢ダンス創作ワークショップ」を主宰し、芸術と教育を融合させながら、地域文化の活性化にも貢献している。

作品タイトル:「身体のゆるやかな解放」

出展作品紹介

「分解とは、時間の始まりである。」—— 歴史学者・藤原氏はこう記しています。

本作はこの言葉を起点に、「身体」がいかにして絶え間ない自然の循環に参与していくかを問いかけます。私たちの肉体は、単なる行動の手段ではなく、過去の経験や圧力、感情を内包した“実体としての素材”です。そしてそれは、環境の変化とともにゆるやかに変容していきます。

本作は糸島の自然環境を背景に、風、湿度、地形などの要素で構成された空間に身体を置くことで、観客があるプロセスを目撃(あるいは参与)する場を創出します。感情が、振動、呼吸、声、動作を通じて、少しずつ解放・変容されていく様子。それは、自然界の岩が年月をかけて風化していくように、静かで穏やかでありながら、確かな変化を伴います。

ここで「風化する行為」とは、身体が時間と環境の中でゆるやかに変化し、感情や記憶が分解・解放されることで、新たな感覚や理解が生まれていくプロセスを意味します。それは破壊ではなく、「再びつながること(再連結)」によって、自分自身と環境との関係性を新たに感じ取るための行為です。

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