Iris Chun-Tzu Chang(張君慈)
台湾出身。ロンドン芸術大学サウンドアート修士課程修了。
絵画や詩、インスタレーション、フィールドレコーディング、即興パフォーマンスなど、多様な表現を通じて、空間における「聴こえるもの」と「聴こえないもの」のあいだに潜む身体の感覚や、意識の移ろいを見つめている。
これまで国内外で作品を発表。「Listen Like A Stone」が、2022年「Sound of the Year Awards」にてBest Imagined Sound部門の最終候補に選出。2023年、雲門舞集第17回「流浪者計画」助成アーティストに選ばれる。2025年、「台南新芸賞」および「高雄賞 聚和国際環境永続特別賞」を受賞。
2021年より長期プロジェクト「What is it like to be an ear of_?」を開始。人間以外の存在(more-than-human)の聴取体験に着目し、各地で「想像による聴取」や「音の記譜法」をテーマにしたワークショップやレクチャーを展開している。
ウェブサイト:irischuntzuchang.com

展示作品
《チューニング:軽石ラジオ──糸島シグナル》
2025
サウンド・インスタレーション、パフォーマンス、テキストスコア
「チューニング:軽石ラジオ Tuning: Pumice Radio」(2023–)は、周波数を合わせる行為を手がかりに、想像と現実の信号が交錯する「海」に耳を澄ませ、意識的に聴き、演奏することを促す作品である。
海辺での生活の中、日本の海底火山「福徳岡ノ場」から流れ着いた軽石との偶然の出会いが、制作の起点となった。軽石の多孔質という物性は、海流とともに海の情報を運ぶ自然の媒体となる。私は軽石を波の信号を発信する基地と見立て、実際の波音をループ再生する「軽石ラジオ」を設置した。ノイズと波音が混じり合うチューニングの過程は、音に耳を澄ます遊びの場となる。
「チューニング:軽石ラジオ──糸島シグナル」は、2025年糸島国際芸術祭のために制作されたサイトスペシフィック作品である。



コメントを残す