【お知らせ】糸島芸農2023テーマ決定!!

公式ニュース

テーマは「共同体/共異体」です。今年もテーマ文を実行委員の大澤寅雄さん(ニッセイ基礎研究所 芸術文化プロジェクト室/文化生態観察)が書いてくださいました。ありがとうございます!

「共同体/共異体」

糸島芸農は、福岡県糸島市の二丈松末(にじょうますえ)、旧・松末村を中心に開催してきました。北側の小高い山林と南側の広大な田畑に挟まれ、東西に伸びる唐津街道沿いに広がるこの集落は、高齢化や少子化の波を受けながらも、昔ながらの共同体を今も残しています。
同じ地域に居住し、利害を共にする人々の集まりである「共同体」。この集落の共同体が受け継いできた田畑や山林では、害獣や雑草と呼ばれる動植物と常に向き合い、伝統行事では祖霊を祀り、祈りを捧げることで、自然や異界と共存、共生してきました。
人間は、「自分」と「自分以外」を衣服や皮膚で隔てているように思いますが、食べて、飲んで、息をすることで、体外の動植物を体内に取り込み、常在菌や腸内細菌などの微生物を宿し、共生することで、バランスを保ちながら生命を維持しています。
この集落で芸術祭を行うことは、共同体の外側からの移入者を受け入れることでもあります。アーティストという異生物やアートという異物と遭遇し、土地の人も余所者も、共感や違和感を表明し合う。この集落の「共同体」に対して、芸術祭とは「共異体」と呼んでもいいのではないでしょうか。
あらゆる場所で「同じもの」での同調圧力と「異なるもの」の分断や排除が起きている中で、2023年の糸島芸農は、アートを通して「共同体」と「共異体」が共存し、共生するための技法を開発したいと思います。

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