Proton Chang(張溥騰)

Proton Chang(張溥騰)

1972年台湾・彰化生まれ。国立台湾大学地質学科卒業後、サンフランシスコ・アート・インスティテュート大学院デジタルアート専攻修了。国立台湾科技大学工業デザイン博士課程を中途退学。現在は国立台東大学美術産業学科副教授、財団法人東台湾研究会文化芸術基金会理事を務める。

長年にわたりアニメーションやデジタル映像を中心に創作を行い、テレビCM、映画、舞台などの映像デザインにも携わるなど、ジャンルを超えた活動を展開してきた。

2006年に台北から台東へ移住。東台湾の豊かな自然が人為的な開発によって損なわれていく現実に直面し、以降は環境や生態系に関するテーマを作品に取り入れるようになる。詩的で寓意的な映像表現を通じて、私たちの身の回りにある風景とその変容に向き合っている。

近年はキュレーターとしても活動しており、アーティストを台東に招いての滞在制作や展覧会の企画運営に取り組むほか、「台東音響芸術祭」の開催にも尽力し、これまでに6回の開催を成功させている。

「深い時間の鼓動」2024

iPad、マイク、音響システム、低周波振動装置(ButtKicker LFE)

作品協力:音響ミックス Louis Ossiere / Shwamp

作品顧問:台湾大学地質学系 朱美妃准教授

古来より、火山の周囲に人が暮らす場所には「火山神話」が存在し、大災害ののちに新たな生命が生まれるという再生の物語が語り継がれてきました。南島系の文化圏でも、洪水、地震、火山噴火などの自然災害と民族の起源を重ねる神話が多く見られます。

スコットランドの地質学者ジェームズ・ハットンが提唱した「深い時間(Deep Time)」の概念は、こうした自然の長大なスケールと向き合う視点を与えてくれます。

本作は、台湾と日本の活火山が発する次声波と、さまざまな人間の心音を重ね、その共鳴を音と振動で体感させるインスタレーションです。私たちは、深い時間の中で火山と心臓が共振する瞬間に立ち会います。

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